「山のパンセ」

パンセてなんか響きがいいなと思っていたらフランス語で「思考」という意味だとか。


「初夏の上高地」を読んでいたらエゾハルセミの記述があった。
大きさや形がヒグラシに似ている事、でも鳴き声がヒグラシより低音である事など・・・。
上高地で気付かれたようだ。



今年の夏、私もある方と御在所岳でその違いについて話したことがある。
私は数年前からこの低音のセミは初夏の頃、セミの中で最も早く鳴く事に気付いていた。「ヒグラシ」ではなく、ただの「ハルゼミ」と思っていた。
その方はどれも「カナカナ」と鳴くように聞こえ「ヒグラシ」と思いこんでいた。
調べてみると最初に北海道で見つかったのか、「蝦夷」が付くとわかったとか。
飛ぶ所も見た。形、大きさなどヒグラシそっくりだった「エゾハルセミ」。


哲学者の方と同じきづきがあったなんてそれってすごいんじゃないの?
自然の中できょろきょろしていると思わぬ出会いがあって楽しい。
その出会いの中で、ちょっと話したことがきっかけで又新しい事実を知ることもある。



最近は老眼もあって本離れしていた。
本を読むと目が疲れるしすぐ眠くなる。
でもこの本「山のパンセ」は私にも解りやすい文章で綴られている。
山のことは勿論、出会う動物や鳥や虫の様子までがよくわかり面白い。
目の前にミソサザイやイタチが飛び出してきそう。
詩人であり哲学者であった串田孫一さん。
先日亡くなられたそうだけど、しばらく彼の若かりし世界に嵌りそう。