快晴の八ヶ岳。

 

2007年1月3日 快晴

正月だからと厳しい山を覚悟して緊張してでかける。
ところが気温が高く暖かい。風はない。手袋もカイロもいらない。
贅沢にも暑いくらい・・・。
御嶽山、乗鞍などを背後に阿弥陀岳のモルゲンロートを楽しみながら地蔵尾根を登る。雪はしっかりある。凍ってはいないがふかふか雪でもない。
赤岳展望荘からは雲海の彼方に富士山、真白き峰、穂高岳槍ヶ岳も・・・。
赤岳直下の登りもまったく風がない。蒼と白だけの世界。急登はきついがこの傾斜はそのまま空にでも登るようで魅力的。
山頂からは美しい中央、南アルプスの峰々。
なんと素晴らしいパノラマ。ずっとこのままここにいたい・・・。

ガスがかかると困るからいそいそと阿弥陀岳へ。

中岳からのナイフエッジを綱渡り気分で。そして今日の核心部、阿弥陀岳への急登。昨年春山の経験があるが冬は初めて。滑落しないように気を引き締めて一歩一歩登る。
やったー阿弥陀岳山頂だ。視界良好。目の前の横岳、赤岳、そして富士山も祝福してくれている。風はない。眼下には今自分たちが付けてきたトレースが点々と・・・。

今、私は冬の阿弥陀岳山頂にいる。

いつか横岳へのきつい登りにないた日や、寒くて痛くて文三郎尾根を途中で引き返した正月が走馬灯のように脳裏を駆け巡る。
いろいろ経験したけどあの日があるから今がある・・・。

とても正月とは思えない信じられない天候。まったく春山気分の赤岳、阿弥陀岳。奇跡を起こしてくれた八ヶ岳の神様に感謝して下りは中岳沢をシリセード。
「キャホー。」雪まみれになって転がり降りる。やはり雪大好きです・・・。